光の強い画面
朝の部屋は静かだった。
まだ空は暗くて、ヤックルとジーナの呼吸だけがゆっくり重なっていた。
コーヒーの湯気が細くのぼって、窓の外は青くなる前の灰色。
その静けさの中で、私はスマホを開いていた。
指先が止まった。
キラキラした写真。
大きな会場。
拍手。
売上報告。
「感謝しかないです」と並ぶ文字。
胸の奥が、きゅっと縮んだ。
私は、今、家にいる。
お金を生んでいない。
社会的な肩書きも、いまはない。
部屋は静かなままなのに、
内側だけがざわついていた。
朝4時のルーティン
スーパー早起き。
犬のお世話。
ジム。
朝ごはん。
ブログ。
風呂。
家事。
YouTube。
GIRASOL作業。
昼ごはん。
仮眠20分。
また犬のお世話。
読書。
風呂。
夜ごはん。
まったりタイム。
スーパー早寝。
こう並べると、
何もしていないわけではない。
むしろ、きっちり生きている。
でも、
「いくら生んだの?」と聞かれたら、
答えは、ほぼゼロだった。
ネイルは禁止。
稼いでないから贅沢はできないよね。
そう言われると、
自分の生活が“趣味の延長”みたいに思えてくる。
ジムも、食事管理も、犬の世話も、
ただの自己満足なのかと。
戦っていた頃の私
フィットネスのサークルを回していた頃。
イベントの集客を毎日気にしていた。
人数。
フォロワー。
この世界で有名になりたいと、本気で思っていた。
うまくいっている人のSNSを見て、
焦って、
燃えて、
そして疲れていた。
あの頃は確かに戦っていた。
数字と。
他人と。
未来の自分と。
あれが“価値のある時間”だと思っていた。
見えないこと
今は、家にいる。
犬の毛を撫でる時間。
朝の呼吸を整える時間。
静かな音を作る時間。
誰も見ていない。
評価もない。
拍手もない。
でも、
この生活を維持するのは、簡単じゃない。
早寝早起き。
食事管理。
ジム通い。
毎日続けること。
逃げようと思えば、いくらでも逃げられる。
それでも、淡々と続けている。
それは、戦いではないのか。
光の方向
SNSの光は強い。
眩しくて、わかりやすい。
私は今、その光の下にはいない。
でも、
暗いわけでもなかった。
朝の部屋には、
やわらかい光が入ってくる。
犬たちが丸くなって眠っている。
私は、静かに今日やることを始める。
誰にも見えない。
でも、自分は見ている。
戦っていないように見える毎日で、
私は、自分の基準を守っている。
それは派手じゃない。
だけど、
逃げているわけでもなかった。
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このブログを書いている人のこと
神奈川県在住。
犬と暮らしながら、GIRASOLという名前で、パラコードのドッグギアと、犬のための音を作っている。
元フィットネスインストラクター。
仕事として人と関わる時間が続く一方で、刺激や情報の多さよりも、静かで、管理できる距離感の暮らしを求めるようになった。
この文章を書いているときの私は、
朝の光の中で、犬の寝息を聞きながら、
「見えない価値」という言葉を何度も消しては書き直している。
ストイックだけど、
犬には、めちゃくちゃ甘い。

