まだあたたかい背中
朝、目が覚めると
最初に探すのはヤックルの気配。
胸が上下しているかどうかを
確認する癖は、いまも抜けていない。
闘病が続いていた頃の名残。
マホガニーレッドの背中に手を置く。
ちゃんとあたたかい。
その温度に触れるたび、
私は今に戻ってくる。
まだここにいる。
ちゃんと、生きている。
その事実は、
毎朝、小さな奇跡みたいに感じる。
闘病は、終わったわけじゃない
「頑張ったね」と言われることがある。
確かに、たくさんの夜を越えてきた。
発作も、徘徊も、検査も。
でも、物語は完結していない。
今も体調は揺れるし、
安心しきっているわけではない。
それでも、
私たちは日常を取り戻した。
散歩に行く。
ご飯を食べる。
少しふざける。
その何でもない時間が、
以前より濃くなった。
失いかけたから、
というより、
隣にいる重みを知ったから。
向日葵を選んだ理由
向日葵は太陽を向く。
ヤックルは、いつも私を見る。
体調が悪い日でも、
目だけは追ってくる。
その視線に、
何度も支えられてきた。
私は守っているつもりで、
実は守られていたのかもしれない。
向日葵は、希望の象徴としてではなく、
「向く」という行為の象徴。
どんな状態でも、
今を向く。
それが、ヤックルの姿だった。
アイリッシュセッターを消さなかった理由
ブランドとして考えれば、
もっと抽象的なロゴにすることもできた。
犬種を限定しない方が広がる。
そういう計算も、頭をよぎった。
でも、消せなかった。
あの細身のシルエット。
長いマズル。
垂れた耳。
赤い光。
それは“犬”ではなく、
ヤックルだから。
私は、
未来のためのロゴを作ったのではない。
今も隣にいるこの存在を、
なかったことにしないために
刻んだ。
絆は、現在形
闘病は過去の出来事じゃない。
それは私たちの基礎になっている。
家族の距離感。
時間の使い方。
優先順位。
全部、変わった。
ロゴを見るたび、
私は思い出すのではなく、
確認する。
「まだここにいる」
向日葵も、
アイリッシュセッターも、
追悼ではない。
宣言でもない。
今を生きている証。
私はこうしている
ロゴは、未来への野心ではなく、
現在への敬意。
闘病があったことも、
揺れた日々も、
全部ひっくるめて
今の私の基準になっている。
GIRASOLは、
強さを誇るための名前じゃない。
何度揺れても、
それでも隣にいるという事実の記録。
ロゴに向日葵とアイリッシュセッターを入れたのは、
過去を閉じるためではなく、
今を続けるためだった。
この続きに、もし興味があれば
GIRASOLの音も、道具も、
この“現在形の時間”から生まれている。
・犬のための音を置いている場所
GIRASOL Sounds
・パラコードのドッグギア
GIRASOL BASE SHOP
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このブログを書いている人のこと
神奈川県在住。
犬と暮らしながら、GIRASOLという名前で、
パラコードのドッグギアと、犬のための音を作っている。
元フィットネスインストラクター。
この文章を書いている今、
ヤックルは伸びをして、
ジーナは丸くなっている。
ロゴに込めたのは、
「いま隣にいる」という事実。
それだけは、
消えない。
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