夜の空気が重くなる時間がある。
時計を見ると、もう十分に遅い時間。
本当なら、もう布団に入っていていい頃だった。
私は早く寝る生活をしている。
それは「健康のため」というより、
朝の静かな時間を守るためだった。
犬の世話をして、
ストレッチをして、
ジムへ行き、
朝ごはんを食べて、
ブログを書き、
風呂に入り、
掃除をする。
その流れが、身体の中に染み込んでいる。
一日が整うと、体が軽くなる。
呼吸も深くなる。
やるべきことは、次々と進む。
エネルギーが高い状態で、
生活が静かに前に進んでいく。
そんな日が続くと、
私はとても安心していた。
けれど、夜の時間が遅くなると、
その安心が少しずつ揺れ始める。
旦那の帰りが遅い日。
先に寝ればいいのかもしれない。
でも、どこか落ち着かない。
家の空気がまだ終わっていない感じ。
生活が、まだ閉じていない感じ。
時計を見るたびに、
心の奥がざわつく。
呼吸が浅くなる。
焦りが出てくる。
「今日のリズムが壊れる」
そんな感覚が、胸の奥に広がる。
夜中にヤックルの発作が起きた日も同じだった。
突然体を震わせる。
意識が遠くなる。
私はただ隣で見ていることしかできない。
犬の体が落ち着くまで、
時間が止まったような感覚になる。
そして、その後に気づく。
今日はもう、
いつもの生活には戻れない。
朝のリズムは崩れる。
睡眠も足りない。
その瞬間、
胸の奥に小さな焦りが生まれる。
呼吸が浅くなる。
規律ある生活が壊れる。
そのことが、怖い自分がいた。
昔は、こんな生活ではなかった。
仕事をしていた頃は、
もっと外の時間に合わせて動いていた。
人と会う。
レッスンをする。
予定が入る。
一日の形は、
外の世界に決められていた。
その生活を離れて、
私は静かな暮らしを選んだ。
朝が早く、
夜が早い。
犬の生活に合わせて、
自分の生活を整えていく。
ヤックルがてんかんを発症してから、
その意識はさらに強くなった。
生活が整っていると、
精神も安定する。
一日の流れがスムーズだと、
体の重さが消える。
トレーニングも集中できる。
作業も進む。
生活の規律は、
自分の心を守るためのものだった。
だからこそ、
それが崩れそうになると、
私は少しだけ怖くなる。
規律は、
自由を縛るものだと思っていた。
好きな時間に寝て、
好きな時間に起きて、
好きなことをする。
それが自由だと思っていた。
でも、実際は逆だった。
生活に秩序があると、
心が静かになる。
予測できる一日があると、
安心できる。
自由という言葉より、
安心という感覚の方が、
私にはしっくりきた。
だから私は、
毎日同じような生活をしている。
朝が来て、
犬が起きて、
散歩をして、
ジムへ行く。
ブログを書いて、
掃除をして、
静かな作業をする。
とても地味な生活。
けれど、この流れがあると、
呼吸が深くなる。
もし夜が遅くなった日は、
私はあまり無理をしない。
疲れている日は、
ただ早く寝る。
次の日のリズムが整えば、
また呼吸が深くなる。
生活は、
完璧に守れるものではない。
犬がいる。
人もいる。
予定も、
体調も、
いつも同じではない。
それでも私は、
できるだけ同じ流れの中に
自分を戻していく。
その方が、
静かに生きられる気がするからだった。
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「静かな生活を選んだら、孤独が増えた話」
「情報を減らしたら体調が良くなった理由」
このブログを書いている人のこと
神奈川県在住。
犬と暮らしながら、GIRASOLという名前で、
パラコードのドッグギアと、犬のための音を作っている。
元フィットネスインストラクター。
仕事として人と関わる時間が続く一方で、
次第に、刺激や情報の多さよりも、
静かで、管理できる距離感の暮らしを求めるようになった。
犬と暮らすようになり、
生活のリズムや優先順位が大きく変わった。
安全であること。
安心できること。
毎日繰り返しても負担にならないこと。
GIRASOLは、
そうした生活の中で自然に残った基準から生まれている。
派手さより、長く使えること。
説明より、使ったときの違和感のなさ。
その感覚を信頼しながら、
道具や音を、静かに形にしている。
この文章を書いている今、
足元ではヤックルとジーナが眠っている。
生活の流れは、
今日も静かに続いている。


