正直に言うと、少しだけ肩の力を抜きたかった。
これまでの私は、
「オーダーをもらってから作る」
それがいちばん誠実で、いちばん間違いのないやり方だと思っていた。
相手の犬のサイズを聞いて、
毛色や雰囲気を想像して、
散歩している姿を勝手に思い浮かべながら編む。
この工程が嫌だったことは一度もない。
むしろ好きだし、今も大切にしている。
でも最近、作業机の横に積み上がっていく“完成品”を見て、
少しだけ、気持ちが変わった。
すでに編み終えている首輪やリード。
何度も触って、強度を確認して、
「これは大丈夫」と自分にOKを出したものたち。
それなのに、
「これはまだ売るものじゃない」
「オーダーが先」
そんなふうに、無意識に線を引いていた。
作っているとき、いつも同じことを思う。
首輪やリードって、
アクセサリーじゃない。
毎日使うものだし、
犬と人をつなぐ、かなり重要な道具だ。
だからこそ、
勢いで作りたくないし、
大量生産もしない。
でも一方で、
「完成して、ここにある」という事実も、
ちゃんと尊重していいんじゃないかと思うようになった。
この子たちはもう、
誰かの散歩に連れて行かれる準備ができている。
だったら、
“今すぐ使える形”で差し出してもいい。
そう思った。
今回、ミンネとクリーマでスタートしたのは、
オーダー品だけじゃなく、
すでに作ってストックしている作品たちの販売。
サイズも、色も、編み方も、
全部が一点もの。
「この色、好き」
「この雰囲気、うちの子っぽい」
そうやって、
完成形を見て選んでもらう形。
これは妥協じゃない。
方向転換でもない。
ただ、
“作り手の都合だけで縛らない”
という選択。
パラコードを編んでいる時間って、
頭が静かになる。
無心というより、
余計なノイズが消えていく感じに近い。
その状態で作ったものは、
どれも少し落ち着いている。
派手じゃない。
主張しすぎない。
でも、
毎日使うにはちょうどいい。
写真を撮るときも、
「映えるかどうか」より、
「実際に使っているところが想像できるか」を優先した。
朝の散歩。
まだ少し眠そうな犬。
リードを持つ手の感触。
そんな場面に、
自然に溶け込むものだけを並べた。
オーダー品は、これからも続ける。
その人と、その犬だけの一本を作る時間は、
私にとって特別だから。
でも、
「今すぐ必要」
「今日から使いたい」
そんな気持ちに応えられる形も、
あっていい。
完成して、
ここにあるものを、
ちゃんと世に出す。
それだけの話なのに、
実際にやってみるまで、少し勇気がいった。
たぶん私は、
真面目すぎたんだと思う。
販売を始めたからといって、
何かが急に変わるわけじゃない。
編み方も、
使っている素材も、
大切にしている基準も、全部同じ。
違うのは、
「順番」だけ。
作ってから、待つ。
待っている間に、
誰かと出会う。
それでいい。
もし、
オーダーはハードルが高いなと感じていた人がいたら。
「まずは一本使ってみたい」
そんな人がいたら。
今並んでいる作品たちの中に、
ちょうどいい出会いがあれば嬉しい。
どれも、
雑に作ったものはひとつもない。
静かに、
毎日の散歩に寄り添う前提で編んでいる。
今日は、販売を始めたという記録。
大きな宣言でも、
特別なキャンペーンでもない。
ただ、
今の私と、今の作り方を、
ちゃんと残しておきたかった。
やることはまだたくさんあるけど、
まずは一歩。
作ったものを、
きちんと外に出す。
それを始めた、という話。
現在、パラコード作品は
オーダー品に加えて、
すでに完成しているストック作品の販売も行っています。
サイズや色、雰囲気が合えば、
今日からすぐに使っていただけるものばかりです。
写真と一緒に、
それぞれの作品の空気感を見ていただけたら嬉しいです。
▶︎minne
▶︎creema
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このブログを書いている人のこと
GIRASOLとして、
犬との暮らしを軸に、音・もの・日常をつくっています。
長年フィットネスの仕事をしていましたが、
愛犬ヤックルの病気をきっかけに、
「毎日の質」や「安心できる時間」に
目が向くようになりました。
今は、
犬と人をつなぐパラコード作品の制作と、
犬が落ち着いて過ごすための音
〈GIRASOL Sounds〉を中心に活動しています。
派手なことはしていません。
毎日使って、毎日触れて、
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