夜になると、理由もなく落ち着かなくなる。
寝ているはずなのに、何度も起きてはウロウロする。
シニア期に入った愛犬を見ていて、そんな変化に気づいた人は少なくないと思う。
私もそのひとりだった。
「歳だから仕方ない」と片づけるのは簡単だけれど、
本当にそれだけなのか。
何かできることはないのか。
この記事では、シニア犬の夜の不安が明らかに減った我が家のルーティンと、
その中で大きな役割を果たした**“音の工夫”**について、体験ベースで書いていく。
特別なことはしていない。
でも、順番と静けさを整えただけで、夜は驚くほど変わった。
シニア犬はなぜ夜に不安になりやすいのか
まず前提として。
シニア犬の「夜の不安」は、甘えやわがままではない。
よく言われる要因は次の通り。
- 視力・聴力の低下による環境把握の不安定さ
- 体内時計(サーカディアンリズム)の乱れ
- 日中の刺激不足、または疲労の蓄積
- てんかん・内分泌・脳機能の加齢変化
特に大きいのが**「昼と夜の境目があいまいになること」**。
人間でも、時差ボケや睡眠不足が続くと夜にソワソワする。
犬も同じで、「今は休む時間」という合図が弱くなると、不安が表に出やすくなる。
だから必要なのは、
**安心できる夜の型(ルーティン)**を、毎日同じ形で用意してあげること。
我が家で固定した「夜のルーティン」
ポイントはシンプル。
刺激を減らし、順番を変えない。
① 夕方以降は「興奮」を持ち込まない
夜の不安が強かった頃、無意識にやっていたことがある。
- テレビをつけっぱなし
- スマホの通知音
- 急に話しかける、構う
- 明るすぎる照明
人間にとっては日常でも、シニア犬には情報過多。
夕方以降は照明を一段落とし、
声かけも最小限にして「空気を静かにしていく」。
これだけでも、表情が変わった。
② 寝る前の行動を“完全固定”
我が家の夜は、毎日ほぼ同じ流れ。
- 軽いトイレ誘導
- 寝床を整える
- 水をひと口
- 決まった音を流す
- 何もせず、ただ一緒にいる
ここで大事なのは、
撫ですぎない・話しかけすぎないこと。
安心=刺激ではない。
「変化が起きない」ということ自体が、最大の安心になる。
音を「足す」のではなく「整える」
ここからが一番大きな変化だった部分。
夜の不安対策というと、
「無音がいい」「静かにしなきゃ」と思いがちだけど、
我が家では完全な無音は逆効果だった。
無音が不安を増幅する理由
シニア犬は、聴力が落ちる一方で
“聞こえないこと自体”に不安を感じることがある。
突然の物音
遠くの車
家の軋み
無音の中では、こうした音が“脅威”として際立つ。
だから必要なのは、
音を消すことではなく、音で包むことだった。
実際に使っている音の条件
いろいろ試して、残った条件はこれ。
- 一定の音量(途中で大きくならない)
- メロディが主張しすぎない
- ドラムやパーカッションがない
- 低音が優しく、波のように続く
- 8〜10時間流しっぱなしでも疲れない
人間の「リラックス音楽」とは、少し違う。
犬にとっては、**“背景として溶ける音”**がベストだった。
結果、夜中に何度も起きていたのが、
朝まで同じ姿勢で眠れる日が増えた。
音+ルーティンで起きた変化
変わったのは、睡眠だけじゃない。
- 夜中の徘徊がほぼなくなった
- 寝る前の呼吸が深くなった
- 翌日の表情が穏やか
- 飼い主側の睡眠の質も改善
何より大きかったのは、
「何かあったらどうしよう」という私自身の不安が減ったこと。
犬は、飼い主の空気を驚くほど正確に読む。
こちらが落ち着くことで、犬も安心する。
これは完全に相互作用だった。
正解はひとつじゃない。でも「型」は必要
このルーティンが、すべてのシニア犬に当てはまるわけではない。
病気や性格、生活環境でも変わる。
でも共通して言えるのは、
- 夜は刺激を減らす
- 毎日同じ順番を繰り返す
- 音は“消す”より“整える”
この3つは、かなり多くの犬にとって助けになる。
年齢を重ねることは、弱くなることじゃない。
世界の感じ方が変わるだけ。
その変化に、こちらが少し寄り添う。
それだけで、夜はちゃんと静かになる。
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このブログを書いている人のこと
犬と暮らしながら、
音・形・暮らしをつなぐ活動をしている。
2匹の犬との日常、
パラコード制作、
そして犬のための音楽チャンネル GIRASOL Sounds。
派手なことはしない。
でも、毎日を静かに整えることは大切にしている。
YouTube:GIRASOL Sounds
Instagram:@girasol_paracode
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